ユトリロ展
2006.01.24
めっきりこの辺のヨーロッパの絵画はみなくなってたんですが、タダ券もらってたので行ってきました。
普通にわかりやすい絵だなと思ってたんだけど。。。昨日彼の生い立ちをちょっと知りました。
遊び人な母に愛情をもらえず、父は誰だかわからず、若い頃からアルコールに溺れ、精神病の柵のなかで治療のため写真葉書を見ながら独学で絵を描き始める。安酒代を稼ぐ為に絵を描く。その頃の”白の時代”の絵が一番人気があるらしいんだけど、やっぱりその時代のはいい。古びた漆喰の色とかグチグチ不器用に塗り込んでる感が好きでした。
その後、才能を認められるが自覚なく、画商達に追い立てられ、母と義父(ユトリロの3歳下の元友人)はそれを利用して贅沢三昧。その頃の絵は線もきっちり、遠近法がきいて賢い感じ。色が鮮やかになったのは、母親にお金のお陰でも必要とされてうれしかったのかなぁ。。
その後、母が死んで、元コレクターの未亡人と結婚。彼女にもマネージメントをされ、よく売れる白の時代の絵を模写させられたり、彼女の描いた絵2枚を抱き合わせにして高値で売りつけたり、勝手し放題だったみたい。意欲なく無理矢理描かされてたのかな。。
何も知らずに中高生だった私は彼の絵を好きだと思った。模写もした。
18の時に研修旅行にヨーロッパに行った時にはモンマルトルあたりをウロウロして、彼の描いた景色をさがした。
今頃知った彼の過去。あの時も知ってたのかもしれないけど、今覚えてない程度の事だった。その時代なら珍しくない生い立ちなのかもしれない。こんな過去はこの展覧会がつくった流れで、だからって彼が不幸だったとも限らない。絵は悲しい過去を語る必要もない。彼は今では”詩情あふれるパリの風景を描いた日本で人気のある作家”なんだし。
でもなんだろう。。。なんだかな。。
晩年のぼんやり微笑んで膝を抱えて座ってる彼の写真が印象的でした。